何を撮りたいのかよくわからない人のための話
色々な疑問や質問を受ける中で非常に困る一言があります
それを何かと言うとですね
『 何を撮ったらいいですか 』
この質問が意外なほどに多いんです。
こちらも答えに窮するのですが 『 好きなものを撮ってください。』
又は 『 興味のあるものを撮ってください 』と答えるぐらいしかありません。
すると聞いてこられた方の顔には、文字がこう浮かび上がってきます。
適当に答えたなぁ、この人
本当は理解しようと思ってないと思われることがあるんですよね。
ですので此方はこう切り出します。
『 好きなモノはなんですか? 』
すると、『 好きなものって特に・・・』と言われることもあります。
お話を聞いてみると
カメラを買ったのが、勢いであったり
カメラを買ったら撮るものが見つかるかなぁということです。
結構このお話は共感するところもあるんですが
私とは決定的に共感するところが違います。
カメラを買ったのが勢いでと言うのが、普通は単なる買い急ぎではありません。
買う前に十分にメリットデメリットを理解した上で
妥協ラインの値下がりを見つつ勢いでエイヤーっと買うという勢いです。
こちらの勢いはカタログやホームページを見てフラッと買ってしまうことです。
それは良いと思いますし、何も責めるつもりは全くありません。
むしろそういった勢いも必要であると考えています。
伝えたいのは『 せっかくなので使いましょうよ 』ってな事であったりします。
新しいカメラって持ってるだけで何だかワクワクしますよね。
何もない空間を覗き見て空切りしてみたり、天井を寄って撮ってみたり
寝ころんだ状態のまま自分の足を取ってみたり
目にとまったものを必死で撮って画像確認してみたり・・・
で、それを見て 『 いまいちだなぁ・・・ 』とかw
家族やペットがいるのなら撮る対象としては楽なのです
現にカメラやビデオが売れるのは、10月や1月などが多いそうです。
なぜなら運動会や発表会などがあるからでしょう。
撮る対象が明確ならこの様に、全く迷いもなく心配はありません。
しかしさらに年月が経つと、撮る事も無くなってしまっていたのは又のお話。
話を戻します
そういった撮る対象がない場合の方ですね
そういったほうがどういう形に着地するかというと
じゃあ綺麗な風景でも撮ってみようという風になるんですね。
手放しで喜べませんが、カメラを寝かせておくよりはマシです。
ではもう結論を先に言ってしまいましょう
何を撮りたいかわからない人は、もう理屈抜きでただひたすら撮るです。
『 なんだそれは 』と言われてしまいそうですがもう少しお話を。
今、この状態でこの内容だと解決になってないかもしれないですが
撮っている事で見えるものがあるんです。
未来の撮りたいものが、撮ることによって見えてくるんです
そして撮りたいものが色々と、撮っていると変わってきます。
見えていなかった景色が、撮る行為で見えてくる様になるのです。
人物であったり
ペットであったり
物であったり
風景であったり
スナップであったり
日常であったり
人物であればコミュニケーションをとらねばなりません。
被写体と話をすることで広がりがでます。
ペットであれば飼い主でないと撮れない表情を見せるでしょう。
身近な人にしか見せない表情は技術を超越します。
物であればジックリと眺めるでしょう。
その魅力を引き出すには、何を足して何を引くのだろうと。
風景などでしたら移動&ひたすら待ち。
朝の絵が欲しい時や、夕暮れ、夏と冬は同じ天気でも表情が違います。
スナップでしたら電源は入れぱなしですね。
目の前の物事は何が起こるかなどは予測できません。
日常を撮るのなら常日頃、持ち歩くのでカメラがボロボロになります。
スリキズだらけのボディは、あなたの冒険の記録でもあります。
そうして撮っていくことにより、気が付く時があります。
『 あれ? これは違う 欲しかったものじゃない 』
その感覚が出てきたときは、もう撮りたいものが分かっている筈です。
と、同時に撮らなくてもいいと思える事も整理出来始めている筈です。
そして不思議と、同じ人や場所や物や状況を撮っている時
さらに深く撮ってみようと思う事もあります。
撮る事により、更にその奥にあるものに気が付くからです。
それが出てこない場合もあると思います。
撮影をパターン化すると、ワンパターンでも一通りこなせてしまいます。
これはこれで一旦良いとするのです。
ある程度を撮ったあとに、引き出しが更にできる時があります。
突然『撮る事』で『撮るべき事』を理解できるようになります。
言葉にすると、ごく普通の当たり前な事なのです。
これに行きつくまでが、ホントに無理ってなる時があります。
そういった時は撮らなくて大丈夫です。
自分に無理させて撮ると、写真にまともに『 嫌 』が映り込みますw。
撮る事で撮れるようになり、撮る事を欲します。
撮っていることで独自のタイミングが見えてきます。
自分自身の撮るスタンスとか、リズムと言うか・・・。
まとめます
私も時に突如わからなくなったりします。
ですので初心者なら当然わからないのも仕方ないのです。
とりあえずでいいので、今日も『 あなたの何か 』を一枚撮ってみてください。
解決に至らない時は撮るしかないのです。
撮ることでしか分からない世界があります。
そして必ずわかる時が来ます。
それはゆっくりとなのか、突然なのかは人それぞれだと思います。
わかった方は分からない時の事を忘れてしまうのです。
思い出してみると微かに記憶にある時期でした。
徐々に違和感のように、不思議な感覚に包まれたり
手足に馴染み、カメラを持っていることを全く忘れていたり
撮っていて気が付いた時には、突然に楽しくなっていたりします。
そこまで来たときに、具体的にどうやってカット重ねるかというのは
次のブログでお話ししたいと思います。
最後までお読みくださいましてありがとうございます。